近年、日本の高齢化は急速に進んできており、テレビやネットでも騒がれています。
平成28年10月の時点での日本の総人口に対する高齢者の割合は27.3%と4人に1人以上は65歳以上の高齢者という結果が出ています。
今後ますます高齢者が増えると言われており2035年(平成47年)には、高齢者の割合が3人に1人になることが予想されています。
そこで、今回は今後も増え続ける高齢者のために、一人暮らしで役立つ「住まい」や「制度」に関する情報と注意点をご紹介いたします。
目次
住まいに関するお役立ち情報!

高齢者の家賃補助
高齢者の住まいに関する役立つ情報として、家賃補助のある住宅があることをみなさんご存じでしょうか。
その住宅というのが、「高齢者向け優良賃貸住宅」と言われるものです。
高優賃(こうゆうちん)と言われることが多いです。
高齢者向け優良賃貸住宅というのは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」という法律に基づいて、国がUR都市機構などの事業者に対してお部屋のバリアフリー化と家賃負担を軽くするための補助(家賃補助)を行う制度を取り入れた賃貸住宅です。
対象は、60歳以上の方で緊急時対応サービスや安否確認サービスなどがあります。
家賃補助は、どなたでも補助が受けられるわけではなく、世帯の所得が一定以下の場合、家賃の補助が受けられます。
施設に関する情報
高齢者の住まいと言えば、自宅や高優賃以外にも「老人ホーム」や「施設」と呼ばれるものがあります。
その中には、「特別養護老人ホーム」「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」などがあり、みなさんも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらの違いを細かく説明すると難しいので、今回は簡単に費用についてどれが高くてどれが安いのかをお教えいたします。
まず、「住宅型・介護付き有料老人ホーム」は費用が高い施設が多いです。
施設によって金額は違いますが、入居一時金は平均で数百万必要は必要になります。
これはあくまで平均なので、中には入居一時金0円というところもありますし、逆に入居一時金は数千万というところもあります。
また、毎月かかる費用も20~30万円程度はかかってきます。
これに比べて、「特別養護老人ホーム」(通称:特養 とくよう)と呼ばれる施設は、入居一時金は0円ですし、毎月の費用も7~15万円ほどで生活できます。
この金額の違いは、介護の必要量が多いと高くなりますし、介護がそこまで必要でない人は安くなります。
この特別養護老人ホームには入居制限があり、原則要介護3以上で申請が可能になります。
要介護の説明は後ほどいたします。
空き家に対する制度
現在は戸建てに一人暮らしをしているけど、今後施設への入所を検討されていて家が空き家になってしまうという方も多いです。
最近は空き家の数も急速に増えてきており、社会問題にもなっています。
現在その家に住んでいる方にとって何が一番問題かというと、空き家になってしまい劣化がひどくなってくると固定資産税がなんと現在の6倍になってしまう可能性があるのです。
使ってもいない家の固定資産税が高くなってしまうのは問題ですよね。
そこで、活用できるものとして空き家の撤去費用に対して補助をしましょうという各自治体の制度があります。
例えば、一定の条件を満たす木造建築物の除去にかかる費用の2分の1(上限150万円)は自治体で補助をします。
ということです。
これを使えば、住まなくなって空き家になってからも解体費用などに頭を悩ませることもないでしょう。
是非、住んでいる自治体にご相談・問い合わせしてみて下さい。
高齢者に役立つ介護保険制度とは?

最近よく耳にする「介護保険制度(かいごほけんせいど)」、それって一体どういったものなのでしょうか?
「聞いたことはあるけど、よく知らない」という方もいらっしゃるでしょう。
その内容についてわかりやすくご説明しますので、是非ご活用下さい。
介護保険制度とは?
この制度は、簡単に言うと「介護の必要な高齢者をみんなで支えていきましょう」というもので、そのための介護に必要なサービスを原則1割負担で受けられます。(所得に応じて2割負担となる方もいます)
この介護保険制度には、介護度(かいごど)と言って、要支援1~2、要介護1~5と7段階あります。
介護の量(お手伝いの必要な量)が少ない順に、
要支援1→要支援2→要介護1→要介護2→要介護3→要介護4→要介護5
となります。
要支援1の方は、比較的自立されていて、要介護5の方は寝たきりなど多くの介護を必要とする方を言います。
何ができるの?
介護保険で受けられるサービスとしては、
- 訪問介護:ヘルパーが自宅に来て掃除や洗濯、食事の世話など身の回りの世話をしてくれるサービスです。
- 訪問看護:看護師が自宅に来て、健康状態の観察や必要な処置などをしてくれます。
- 訪問入浴:自宅にヘルパーや看護師が来て、自力でお風呂に入るのが難しい方をお風呂に入れてくれます。
- デイサービス:日中デイサービスと呼ばれるところに行き、リハビリをしたり、お風呂に入ったり、みんなで食事をしたりします。お手伝いが必要な方は、そのデイサービススタッフが手伝ってくれます。
どのくらいお金がかかるの?
自宅に住みながら受けられるサービスの費用としては、受けるサービスの量によって違いますが、1番高い方で約4万円弱程度です(1割負担の場合)。
このサービスの量は調整できますので、担当のケアマネージャー等にご相談下さい。
注意点

注意点としては、不安に思っていることや困っていることを一人で抱え込んだり、そのままにしておかないということです。
今回説明したように、役立つ制度や情報、使えるサービスが他にもいろいろあります。
「こんなことで悩んでます。どうしたら良いでしょうか?」など、お住まいの市区町村の行政や不動産に関する事は近くの不動産屋にとりあえず相談してみて下さい。
それだけで、悩みが解決したり不安が軽減するかもしれません。
将来に対する不安や悩みは、自力で解決することが難しいことが多いので、是非早い段階で相談してみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、一人暮らしをされている高齢者にとって役立つ情報を「住まい」と「介護保険制度」に分けて説明し、注意点についてもわかりやすくご説明いたしました。
少しでも役立てていただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。