現在、社会問題と化している「空き家」、今後も増え続けることが予想されています。
ニュースや新聞などでも頻繁に取り上げられて「空き家」が問題になっている事をご存知の方は多いでしょう。
しかし、もし自分が空き家の所有者になってしまったときの対策を早い段階で考えているという方は少ないのが現状です。
では、早めに対策を考えなければいけない理由はなんでしょうか?
そして、具体的にどんな対策があるのでしょうか?
今回は、そんな疑問に答えるべく「空き家の問題点」と「対策」、「注意点」などについてわかりやすくご紹介いたします。
目次
空き家になると発生する問題とは?

空き家となる事がなぜそんなにも問題と言われるのでしょうか?
近隣トラブルの原因になる
空き家の問題点の1つが、近隣トラブルの元になるという事です。
空き家をキチンと管理できていれば問題ないのですが、管理が不十分となると庭の草木が伸び隣の敷地に入り込んだり、建物が老朽化し屋根が飛んでいきそうになったりと近隣住民に不安を与えます。
親の代では、仲が良かった隣近所でも世代が変わると迷惑だと言いやすかったりもしてトラブルに発展してしまうのです…
治安の悪化の可能性
空き家は、治安の悪化にもつながります。
最近では、愛媛県の刑務所から脱走した受刑者が3週間以上に渡って逃げていたというような事がありました。
その受刑者が逃げ込んでいたのは空き家でした…
このように空き家は犯罪に利用される可能性があります。
他にも、犯罪者のアジトにされたり、放火の対象になったり、不法投棄場所になったりする例もあります。
これは空き家が及ぼす大きな問題でしょう。
老朽化による価値の低下
空き家になってしまった建物は、あっという間に老朽化が進みます。
この老朽化によって建物の価値が低下するどころか、解体しないといけないような使い物にならない建て物が建っていることで余計な費用がかかってしまうため適正な管理をしているものと比べるとマイナスになってしまう可能性があります。
建物の老朽化による資産価値の低下は所有者にとって大きな問題です。
解決の方法は3つ!

空き家所有者となった場合に、上記のような問題にならないようにするためには、以下の3つの解決策があります。
売却
手っ取り早い解決方法が、売る(売却)という事です。
建物が老朽化する前に、売却する事で価格も高く売れる可能性がありますし、買い手が見つかりやすいというメリットもあります。
しかし、売却しづらい建物もあったりします。
それは、新しく建物を建てられない土地である場合です。
この場合は、売却するにも価格も低くなってしまうため売る事に抵抗感がある方もいらっしゃいます。
活用(貸す)
空き家になっている建物を貸し出すことで、人が利用するため老朽化が進みづらく空き家が引き起こすトラブルを予防することができます。
また、人に貸すことで家賃収入を得る事もできます。
ただ、住宅の立地や設備、間取りなどの条件によっては借り手が付かず、結局空き家となってしまうこともあります。
管理
3つ目の方法は、「管理」です。
管理には、自分で管理する方法と専門業者に管理してもらう方法の2パターンがあります。
所有している空き家が自宅の近くにあり自分で管理できる場合は、自分で管理すれば費用もかからず老朽化の予防をする事ができます。
ただ、自己管理でも管理頻度が少ない場合はやはりトラブルになってしまう可能性はあります。
以前ニュースで、空き家を自己管理されていた方が、その空き家を清掃しに行ったところ玄関が開いていたため警察に届けると、犯罪者が勝手に利用していたという事がありました。
もし、管理に行ったときにその犯罪者と遭遇してしまったとしたら…怖いですよね。
また、自己管理には労力と時間もかかるため、専門の業者に依頼するというのも1つの手でしょう。
管理業者に依頼した場合、費用は月に大体7000円~10000円程度になります。
費用がかかってしまうのがデメリットになります。
両親の入所や入院によって空き家になった場合は注意!

空き家の増加の原因の1つとなっているのが、「両親の入院や入所」です。
入院や入所となること自体が悪いと言っているわけではありません。
高齢になれば体調を崩しやすくなるでしょうし、入所も日々の生活を安全に過ごすために仕方ないことではあります。
ただ、この場合注意していただきたい事があります。
それは、認知症になってしまうリスクです。
(認知症患者は増加傾向にありますし、現段階では効果的な治療法は見つかっていません)
認知症の何が危険なのかというと、親が入院・入所によって空き家になり、治療費や入所費用を捻出するために家を売ろうと考えたとしましょう。
もし、その時に親が認知症になっていた場合、契約などの行為ができないので自宅を売る事が出来なくなってしまうのです。
両親の認知症によって家族が経済的に困るということも実際に起こっています。
なので、認知症には注意が必要です!
是非、そうなる前に対策を立てておきましょう。
成年後見制度

もし、認知症になってしまったときの対策として「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)」というものがあります。
成年後見制度とは、認知症などによって判断能力が低下してしまった人をサポートする人を家庭裁判所から選任してもらうなどの制度のことです。
後見人がサポートしてくれる内容は、
- 現預金など財産の管理
- 本人が安心して生活を送るために必要な契約や手続きを行う(入院や介護施設の入所など)
- 本人が不必要な契約をしてしまった時に取り消したり無効にすることができる
- 相続によって生じる本人の権利を代わりに主張してもらえる
などです。
(この制度は、あくまで家族を守るためではなく本人の保護なので家族が家を売りたいからと思って申請しても売れるようになるわけではありません)
この制度には、2種類あります。
任意後見人(にんいこうけんにん)
任意後見制度とは、認知症など判断能力が低下してしまう前に「誰に」「どんな支援をしてもらうか」という事をあらかじめ決めておき契約しておくという方法です。
後見人を自分が信頼している人から選ぶ事ができます。
法定後見人(ほうていこうけんにん)
判断能力が低下する前に申請する任意後見と違い、判断能力が低下してから、つまり認知症になってしまった後に申請する方法です。
後見人を選ぶには、家族や市町村長などの申請が必要で、申請後に家庭裁判所が後見人を選びます。
サポートしてくれる内容は変わりません。
空き家対策を後回しにするリスク

税金の無駄な出費
空き家をそのまま残していても毎年かかる費用が、固定資産税や都市計画税などの税金です。
この税金は、空き家の場所によって違うので所有者の中には「税金って言っても大した額じゃないし」と思われている方もいるでしょう。
ただ、都市部では税金が高額となっている場所も多くあります。
何の利用もしていない場所に毎年高額な税金がかかるのは人によっては大きな負担となるでしょう。
放置された空き家には罰金刑
空き家が適正に管理されず放置されていると、行政(市町村役所)から「ちゃんと管理してください」というような指導が入ります。
それでも管理が不十分である場合は、罰金を科すことができるようになっているんです…
空き家が近くにあるのに管理していない方は仕方ないですが、空き家から遠方に住んでいるため管理したくてもできない方にとっては困ってしまいますよね。
なので、早めの対策が必要です!
売れない…
空き家は、放置すると建物の劣化から取り壊さないと売れないなんてことが発生してしまいます。
取り壊しには当然費用がかかります。
この費用が払えないために、売るに売れないという悪循環が発生してしまうこともあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、今でも増え続け社会問題となっている「空き家」の問題点と解決策についてわかりやすくご紹介いたしました。
少しでも役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。