皆さん「立ち退き料(たちのきりょう)」ってご存知ですか?
聞いたことぐらいはあるけど、詳しくは知らないという方もいらっしゃるでしょう。
部屋を借りてお住いの方は、ある日突然大家さんから「部屋を出て行ってほしい」と言われる(立ち退き請求をされる)可能性がゼロではありませんよね。
この立ち退きを請求されたときに関係してくるお金が「立ち退き料」というものになります。
また、立ち退きの依頼をされた場合でも、お願いされたからといって約束通り部屋を出ていかないといけないというわけではありません!(中には、素直に応じている方もいらっしゃるようですが…)
立ち退きを依頼された場合は、「マンションやアパートで立ち退きを請求された場合は拒否できる?」も参考にしてみて下さい!
では立ち退き料について詳しく見ていきましょう!
目次
立ち退き料とは?

立ち退き料がどんなものなのか、簡単に説明いたします。
もし、突然大家さん(賃貸人)側から「〇月〇日までに出て行ってほしい」と言われたとしましょう。
出て行ってほしい理由によっては「仕方ない」という場合もあります。
(例えば、今にも壊れそうな木造アパートの建て替え、住んでいる方が危ない…)
しかし、「もっと大きいマンションに建て替えたい(その方が儲かる)から」という理由では、納得できませんよね。
このような「仕方ない」と思われるような理由でない場合に、部屋を明け渡す代わりに大家さんから支払われるお金だと思ってください(明け渡してもらうための交渉材料だったりします)。
本来は、「仕方ないと認められるような理由」(正当事由と言います)が不十分であるときの補助として立ち退き料を支払うという形になります。
この立ち退き料は、住んでいるお部屋だけでなく、部屋を借りて商売をしている場合でも発生します。
立ち退き料が発生する場合が多いのが現状

マンションやアパートなどの賃貸物件で立ち退きを巡ってのトラブルは、以前から多くあります。
中には裁判に発展するケースもありますが、裁判でも「立ち退き料」が全く発生しないという結論に達することは非常に稀だそうです。
例えば、住んでいるマンションが古く地震で倒壊する恐れがある場合、建て替えのための立ち退きでも裁判になると立ち退き料が発生する事が多いようです。
それくらい、お部屋を借りている人は守られているということでしょう。
立ち退き料の相場について

立ち退き料というものが貰えるかもしれない!
となると、次に気になるのが、
「いくら貰えるのか?」
という金額についてでしょう。
基本的に立ち退き料の相場は決まっていません!
「え?」と思われるかもしれませんが、基本的に立ち退き料は家賃の〇ヶ月分と決められたりはしていないのです。
ただ、これではなんの参考にもならないので…
これは相場ではなく、あくまで私が経験した中での話ですが、立ち退き料として多かったのは家賃の6か月分程度支払って退去に応じてもらっているケースです。
まあ、基本的に相場は決まっていないので、立ち退き料の金額は話し合いで決める事になります。
その場合、お互いが納得すればその金額になります。
大家さん「立ち退き料100万円払いますから退去を…」
お部屋の住人「100万!?わかりました(納得)、退去します。」
これで成立です。
金額について相場はないので、この金額が1万円でも200万円でも双方の納得した金額になります。
裁判になった場合、引っ越しにかかる費用や大家さん側の立ち退き請求理由の正当性によって立ち退き料が変わってきます。
例えば、
「この小さなアパートを壊して、大きなマンションを建てたい(儲けたい)」という場合、立ち退き料が高くなる可能性あり。
「老朽化の激しいアパート、耐震性も問題であるため建て替えたい」という場合、立ち退き料は通常よりも安くなる可能性がある。
という事になります。
立ち退き依頼があった場合の流れ

最初に大家さん側から立ち退き依頼の請求があります。
ほとんどの場合、その際に大家さん側から立ち退きの期日や立ち退き料の提示がされるでしょう。
もし、ただ「出て行って」という話の場合は、立ち退き料の話を切り出しましょう。
また、立ち退き料の提示をされた場合、何も考えないで同意するのは危険です。
立ち退いた場合の費用(引っ越し費用、入居先の敷金・礼金・前家賃など)は、できるだけ正確に計算しておきましょう。
後になって「足りない」では取り返しがつかないですからね。
お互いが納得いく金額で話がつけば、引っ越しをして、立ち退き料をもらうという流れになります。
金額に折り合いがつかずトラブルになると、裁判になります。
【注意】立ち退き料がもらえない!?

家賃を滞納している場合の立ち退き請求
立ち退き料の発生は、立ち退き請求の理由が大家さん側にある事が前提です。
そのため、家賃を滞納していて「部屋を出て行ってください」という立ち退き請求は該当しません。
定期借家契約(ていきしゃっかけいやく)
定期借家契約は、部屋を借りる時にする契約の種類の1つで、期限を決めて「その期限までは貸しますよ」という契約になります。
そのため、期限が来て退去を迫られても、立ち退き料の請求はできません。
立ち退き料の契約は、賃貸借契約の場合です。
気になる方は、契約書に何て書いてあるかチェックしてみて下さい!
倒壊のおそれがある古い建物の建て替え
立ち退き料が全くもらえないという訳ではないのですが、倒壊の恐れがあるような古い建物で住人に危険が及ぶ可能性があるような場合は、通常の立ち退き料に比べて減額される場合があります。
書類へのサインは注意が必要
立ち退きを請求されたら、むやみに大家さん側からの書類にサインしないように気を付けましょう!
もし、その書類に「〇月〇日までに退去(明け渡し)します」と書かれていた場合、退去に同意したことになるため立ち退き料の交渉が難しくなるようです。
また、白紙の紙にサインには注意です。
(あとで内容をどのように書き換えられてしまうかわからないからです…)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、立ち退き料について「もらえるのか?」「相場について」「注意点」などにつていご紹介いたしました。
少しでも役立てていただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。